付加価値をつけると最強


ビジネスにおいて消費やサービスを提供する際、重要なのは「付加価値」の創出です。付加価値とは何か分からない人もいるでしょう。

goo検索によると、

  1.  生産過程で新たに加えられた価値。一定期間の総生産額から原材料費・燃料費などと減価償却費を差し引いたもので、人件費・利子・利潤の合計になる。
  2.  ある商品やサービスなどに付け加えられた、他にはない独自の価値。「―を付けて売る」
【引用】https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BB%98%E5%8A%A0%E4%BE%A1%E5%80%A4/

という意味だそうです。

つまり、同じ商品やサービスでも他社と差別化し、付加価値をつけることで顧客に選ばれる存在となることが出来ます。そこで今回は付加価値のつくり方について書きたいと思います。

商品を提供する企業にとって付加価値をつけることがなぜ重要なのか、具体的にどのような方法があるのか紹介します。

目次

3つの付加価値

私は、付加価値が大きく3つに分類されると考えています。

1.『置換価値』

1つ目は、置換価値です。置換価値とは、ある商品やサービスを別の商品やサービスと置き換えることによって得られる利益のことを指します。例えば、ある商品が売り切れていて購入できない場合、同じような商品を探して購入することによって置換価値を得ることが出来ます。また、サービスが利用できない場合には別のサービスを利用することによって置換価値を得ることが出来ます。置換価値は、商品やサービスの提供できる価値に影響を与える重要な要素の一つとなっています。

2.『リスク軽減価値』

2つ目は、リスク軽減価値です。リスク軽減価値とは、ある商品やサービスによって顧客が抱えるリスクを軽減することによって得られる利益のことを指します。例えば、ある保険商品が提供する補償によって、顧客が被る可能性のある損失を軽減することが出来ます。この場合、顧客は保険商品を購入することで、リスク軽減価値を得ることが出来ます。また、あるサービスが提供するセキュリティ対策によって、顧客が被る可能性のあるセキュリティリスクを軽減することが出来る場合にも、リスク軽減価値が生まれます。リスク軽減価値は、商品やサービスを提供する企業が、その商品やサービスの提供によって得られる利益を評価する上で重要な要素の一つとなっています。

3.『感動価値』

3つ目は、感動価値です。感動価値とは、ある商品サービスが顧客に与える感動や満足度によって生じる価値のことを指します。例えば、あるレストランの料理が非常においしく、サービスも素晴らしかった場合そのレストランに行くことによって、顧客は感動価値を得ることができます。感動価値は単なるニーズの満たしではなく、顧客に対して強い印象を与え忠誠心を高めることができるため、商品やサービスを提供する企業にとって非常に重要な要素となっています。

『3つの中で一番注目すべき価値は感動価値です』
顧客の感動価値を満たすことがヒットへの近道です。

付加価値を作るには

商品やサービスを提供する企業が、顧客に対して付加価値を提供するためには、以下のような方法があります。

・高品質の商品やサービスを提供すること
商品やサービスが高品質である場合、顧客はそれだけで満足感を得ることができます。例えば、製品の品質が良くサービスが丁寧であれば顧客はリピートする可能性が高まり、口コミで他の人にも勧めることができます。

・ブランド価値を高めること
商品やサービスのブランド価値を高めることで、顧客に付加価値を提供することができます。例えば、高級車メーカーである「メルセデス・ベンツ」や「BMW」のようなブランドは、一般的に高品質や高級感といった価値を持っています。

・顧客ニーズに合わせたカスタマイズを提供すること
顧客のニーズに合わせたカスタマイズを提供することで、顧客に対して付加価値を提供することができます。例えば、オンラインショッピングでのおすすめ商品やお気に入り商品リストは、顧客の好みに合わせて商品を紹介することで顧客により良いショッピング体験を提供しています。

・セット販売を行うこと
商品セット販売することで、顧客に対して付加価値を提供することができます。例えば、スマートフォンとスマートウォッチをセットで販売することで顧客はセット価格で購入できるだけでなく、相乗効果によって付加価値を得ることができます。

・顧客にとっての付加価値を明確にすること
顧客が商品やサービスを購入する際、その商品やサービスがどのような価値を提供するかを明確にすることで顧客に対して付加価値を提供することができます。例えば、特定の商品に対して「エコロジーに配慮して作られている」といったラベルを貼ることで、環境に敏感な顧客に対して付加価値を提供することができます。

以上のように付加価値を提供するためには企業が顧客のニーズを把握し、それに対して柔軟に対応することが重要です。また、競合他社との差別化を図ることも大切であり、企業独自のアイデアや技術を活用することが求められます。さらに最近では、サステナビリティや社会的責任を重視する企業が増えていて環境にやさしい商品やサービスを提供することで顧客に対して付加価値を提供することも可能です。付加価値を提供することで、企業は顧客からの信頼や支持を得ることができ競合他社との差別化や顧客獲得につながります。しかし、単純に価格を上げるだけでは顧客から受け入れられず顧客のニーズを把握し、付加価値を提供することが必要です

高付加価値を生み出す戦略

戦略(1)マーケットイン型

1つ目は、マーケットイン型です。なぜお客様が商品を買うのか、本当にその商品・機能は使われるのか、商品の開発前にこれらを徹底的に分析し、「商品の強み」ではなく「お客様が困っていること」を起点として商品を作ります。そして、綿密な分析をもとに「こういう商品を作ったらいいのではないか」と仮説を立てた後、検証を行います。つまり「こんなものを作ったら、買っていただけますか?」とお客様に聞き、仮説が正しいと確信した上で商品開発に入ります。

戦略(2)高付加価値状態での商品の標準化

2つ目は、高付加価値状態での商品の標準化です。特定の企業でしか使えない特注品ではなく、他企業でも喜ばれる「高付加価値状態の標準品」を作ることです。特注品は他社への販売が難しく、製造コストや管理コストがかさむため、販売価格が高くなってしまいます。これでは顧客を満足させることはできません。そこで標準化によって商品のコストダウンを実現するとともに、お客様が価格面、納期面、修理品の入手性でメリットを享受できるようにします。こうしてお客様の困りごとを解決して付加価値を提供しつつ、生産性と利益を上げています。

戦略(3)世界初・業界初の商品

3つ目は、世界初・業界初の商品です。世界初・業界初といっても、新技術を駆使した商品ばかりではありません。顧客の潜在ニーズを探り出し、それを商品開発に反映させることで、世界初・業界初を実現しています。その結果、他社商品と差別化することが出来ます。

法人顧客に提供すべき6つの価値

BtoBビジネスにおける「付加価値のつくり方」

法人顧客が感じる価値

・生産性のアップ
・財務の改善
・CSRの向上



・コストダウン
・リスクの回避や軽減
・付加価値のアップ

今回はこの6つの中から生産性、コストダウン、付加価値のアップの3つについて書いていきたいと思います。

生産性(生産性=付加価値金額÷総労働時間)

生産性には、「付加価値金額を高める」「総労働時間を減らす」「付加価値金額を高めつつ総労働時間を減らす」「生産性の高い仕事割合を増やす」この4つのアプローチの仕方があります。また、生産性をアップさせたいならRPA(ロボットが業務を自動的に処理すること)などによって総労働時間を減らすことが近道です。

付加価値金額を高める
付加価値金額を高める方法は、品質の向上、ブランド力の向上、サポートサービスの提供、環境にやさしい商品やサービスの提供などがあります。このような4つの方法を取り入れることで、付加価値金額を高めることができます。ただし、常に顧客のニーズに合わせた価値提供が必要であることを忘れずに考える必要があります。

総労働時間を減らす
総労働時間を減らす方法は、自動化による作業の効率化、フレックスタイムやテレワークの導入、残業の削減、業務プロレスの見直しなどが考えられます。総労働時間の削減は、従業員のストレスを軽減し生産性の向上につながるため、企業にとってもメリットが大きい取り組みの一つです。しかし、適切な手法やアプローチを選ぶことが重要であり、従業員のワークライフバランスや生産性を損なうことのないように注意することが必要です。

付加価値金額を高めつつ総労働時間を減らす
付加価値金額を高めつつ総労働時間を減らす方法は、自動化による作業の効率化、フレックスタイムやテレワークの導入、業務プロレスの見直しなどがあります。総労働時間を減らしつつ付加価値を高めることは、企業にとって重要な課題の一つです。しかし、適切な手法やアプローチを選ぶことが重要であり従業員のワークライフバランスや生産を損なうことのないように注意が必要です。また、これらの取り組みは社員や顧客に対するコミュニケーションの改善やトレーニング、意識改革などを含めて総合的な取り組みが求められます。

生産性の高い仕事の割合を増やす
生産性の高い仕事の割合を増やす方法は、プロセスの見直し、従業員の教育とトレーニング、生産性向上のための報奨制度、ワークフローの最適化などが考えられます。これらのアプローチを組み合わせることで、生産性の高い仕事割合を増やすことができます。ただし、従業員の負担やストレスが増えないように注意が必要でありバランスを保った上で取り組むことが必要です。

コストダウン

コストダウンとは、企業が製品やサービスを提供する上で発生するコストを削減することを指します。コストダウンには、以下のような目的があります。

利益の向上
コストを削減することで、製品やサービスの販売価格を据え置きながら利益を向上させることができます。

競争力の維持
同業他社との競争に勝つために、コストを削減することが必要になります。競合他社と同等品の製品を提供しつつ、価格が安い製品やサービスを提供することで市場でのシェアを獲得することができます。

事業の継続性の確保
コストが高いままで事業を継続すると採算が合わず事業に継続できなくなる場合があります。コストダウンによって事業の持続性を確保することができます。

付加価値のアップ

付加価値のアップとは、顧客の顧客に提供できる付加価値を向上させることであり、具体的な数字で表現することが重要です。例えば、飲食店に向けた看板の営業などで、初期投資を抑えたいと思うかもしれませんが、クオリティの高い看板によって来店客数が増えるなら、投資額が高くても長期的にはコストを下げることができます。付加価値を高めるためには、顧客にどのような付加価値を提供できるかを明確にし、それを数字やデータで証明することが大切です。

最後に

付加価値を提供するためには、顧客のニーズを把握しそれに対して柔軟に対応することが重要であり企業独自のアイデアや技術を活用することも求められます。また、環境にやさしい商品やサービスを提供することで顧客に対して付加価値を提供することも可能です。付加価値を提供することで顧客からの信頼や支持を得ることができ、競合他社との差別化や顧客獲得につながります。ただし、単純に価格を上げるだけでなく顧客のニーズを把握し、付加価値を提供することが必要であることを忘れずに考える必要があります。

【参考文献】『付加価値のつくり方』著者:田尻望 出版社:かんき出版

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